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定期検診・健康診断について

皆さま方もご存知のように、動物たちは私たち人間のように、言葉によって自分の身体の異常を訴えることが出来ません。また、痛みに対しても我慢強い子が多いように感じます。動物たちに異常が現れたら、まず飼い主である皆さま方がその異変に気づいてあげなくてはなりません。
 そうは言っても、先ほど述べましたように、動物たちは身体の異常を口に出す事が出来ません。そのため当院では、定期的な検診や年に1回の健康診断をお勧めしています。
 特に7歳を過ぎますと、ワンちゃんやネコちゃんもシニア時代(高齢)と言われていますので、人間と同様、成人病予防のためにも年1回の健康診断は必要であると思われます。
 定期検診・健康診断内容の詳細につきましては、お気軽に当院スタッフにお尋ねください。

アレルギー治療について

近年、ワンちゃんの皮膚病疾患の中で、アトピー性皮膚炎と診断される皮膚病が増えてきました。
 アトピー性皮膚炎は、アレルギーの1つです。アレルギーとは、ダニやカビなどのアレルゲン(=異物、侵入物)に対する体内の免疫機能が過剰に反応してしまうためにおこる病気です。
 生まれつき皮膚が薄く弱いワンちゃんは、脂質が不足しやすく、皮膚がカサカサになりやすくなります。そのため、ダニやカビなどのアレルゲンが体内に侵入しやすく、アレルギー反応を起こす引き金となるのです。
 アレルゲンが体内に侵入すると、身体が過敏反応を起こし、身体のあちこちに痒みが引き起こされます。
 痒みのため身体を掻いたり舐めたりすることにより、皮膚に引っ掻き傷ができたり、赤みや黒ずんだ色の変化を起こし、脱毛や皮膚が硬くぶ厚くなり、さらに痒みが増して掻いたり舐めたりするという悪循環を招きます。
 アトピー性皮膚炎であるかどうかは、動物病院できちんとした手順に沿って検査を行わなくてはなりません。外部寄生虫検査、皮膚の感染症はないかどうか等を調べ、最終的に血液検査によるアレルゲンの特定が必要となってきます。アレルゲンが特定できた場合、獣医師と相談の上、できるだけアトピーを起こさないための食事改善や生活環境の改善を行うようにしなくてはなりません。ただ言える事は、アトピー性皮膚炎は完治しない病気であり、治療には長い時間を要すことが多く、いかにうまく付き合ってゆくかを考えなくてはなりません。
 ワンちゃんネコちゃんの皮膚の痒みやフケ、色合いの変化にお悩みの場合は、早めにご相談ください。

フィラリア症について

フィラリア症は糸状虫症とも呼ばれます。蚊によって媒介され、白いそうめん状の虫が心臓の中に寄生する事によっておこる、とても怖い病気です。
 蚊は気温が約15℃を越えると吸血活動を開始しますが、その際たくさんのフィラリアの仔虫をワンちゃんネコちゃんの体内へ注入します。その仔虫は3〜4ヶ月間かけて動物の皮下組織で発育し、その後体内を移動して、最終的に心臓の右心室というところにたどり着き、成虫になるのです。
 フィラリア症になると、心臓の中に異物である虫が寄生しているため、様々な症状が出はじめます。初期には食欲の低下がみられたり、散歩を嫌がったりします。咳をしはじめ、ひどいときには失神してしまうこともあります。もっと症状が進んでいくと肝ぞう障害や腎ぞう障害を引き起こし、おなかの中に水(腹水)がたまったり、真っ赤なおしっこ(血色素尿)をしはじめ、死に至ることもあります。
 そんな怖いフィラリア症ですが、予防で防ぐことが可能です。
その予防方法は、フィラリアの仔虫が心臓にたどり着く前に、毎月1回の予防薬を飲ませるという方法です。北部九州では4〜5月から蚊を見なくなったと思われる日から1ヶ月後(12月)まで投薬するのが理想であると言われています。
 動物病院では随時その子にあったフィラリア予防薬を処方しておりますので、毎月の体重確認とフィラリア予防薬の受け取りを欠かさず行うようにしましょう。

歯石取りについて

もともとワンちゃんやネコちゃんは、獲物をとらえて食べる動物でした。
獲物の肉や骨を咬むことにより、口の中に食べ物がたまらないような仕組みになっていました。しかし現在、人間と共同生活を過ごしているような状況の中では、柔らかい食べ物やペットフードを主食としていることがほとんどです。そうすると口の中に残らないはずの食べ物が残りやすくなってしまい、歯の病気にかかりやすくなってくるのです。
 口の中に食べ物が残ると、まず歯肉(歯ぐき)に炎症がおこります。同時に歯に歯垢(しこう)や歯石がたまり始めます。それを放置しておくと、歯の周りの炎症が進み、歯周病をおこし、歯根部が化膿したり、口内炎へと移行していきます。それらがあまりにもひどくなると、口の中が痛くて痛くて、好きな食べ物でも食べられなくなるのです。
 それらを防ぐためには、日頃から歯をみがくといったケアが必要になってきます。それが難しい場合には、定期的に動物病院でチェックを行い、状況に応じて歯石取りを行いましょう。

ノミ・ダニの予防について

ワンちゃんネコちゃんが外出し、草むらの中に入って遊んだりすると、草むらに潜んでいるノミやダニがその体温を感知して身体に飛び移り、寄生することがあります。
 ノミが身体についた状態でそのまま家に帰ると、家の中で繁殖を繰り返し、他のワンちゃんネコちゃんや人間にも一時的に寄生し、吸血するのです。なぜならノミは、気温が13℃あれば繁殖を繰り返すことができるので、冷暖房完備した家の中はノミにとって快適な生活環境となるのです。
 ノミの吸血により、ワンちゃんやネコちゃんは激しい痒みや発疹・脱毛を伴うノミアレルギー性皮膚炎をおこしたり、サナダムシ(条虫)がおなかの中に寄生する原因となります。
 またマダニの寄生により、九州に多い犬バベシア症(バベシア原虫により犬の赤血球が破壊され、重度の貧血を呈し、死に至ることもある)にかかる恐れもあります。人では、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)を引き起こし、高熱や嘔吐・下痢といった症状で致死率の高い病気が確認されています。(ワンちゃんに寄生したダニをつぶした際、その体液がヒトの口に入って感染した例があるそうです)
 これらの病気を防ぐために、1年間を通じて1〜2ヶ月に1度、ワンちゃんネコちゃんへのノミ・ダニ駆除薬の塗布あるいは飲み薬を飼い主様にお勧めしています。

椎間板ヘルニアについて

椎間板ヘルニアはダックスフントなどの胴長の犬種の他、シーズー、パグ、大型犬によく起こる病気です。
 背骨(脊椎)にはたくさんの椎骨がありますが、椎骨と椎骨の間には背骨をなめらかに曲げられるように、椎間板とよばれるクッション(軟骨)があります。この椎間板に強い力が加わったり、老化などで骨が変性すると、椎間板の内容物がはみ出して、椎骨の後ろにある脊髄(神経)を圧迫することがあり、これを椎間板ヘルニア(椎間板の逸脱)と呼びます。主な症状は、前後肢の麻痺や背中の痛みなど様々です。診断の方法としては、神経機能を調べ、どこがヘルニア(逸脱)をおこしているのかおおよその見当をつけ、X線造影検査あるいはCT・MRI検査によって確定診断をつけます。軽度のときはステロイド剤や非ステロイド性抗炎症薬によって症状がやわらぎますが、重度のときは手術が必要となることがありますので注意しなくてはなりません。
 とにかく肥満は要注意です。体重を増やさぬよう日頃から注意し、背骨に強い衝撃が加わるような過激な運動は避け、無理やりリードで首をひっぱるような行為や、老齢犬の急な階段の昇り降りはやめましょう。

ワンちゃんのしつけの必要性について

ワンちゃんは長い年月をかけて人間社会に適応するよう改良されてきました。初めてワンちゃんを家族に迎え入れる場合、可愛いという理由のみで迎え入れるのは誤りであり、そのワンちゃんの性質・特徴、飼い主の性格・生活環境を考えた上で犬種を選ばなければなりません。
 室内の小型犬を迎え入れる場合は、まず飼い主に咬みつかないようしつけることが重要です。それから来客に吠えないようしつけることも忘れてはなりません。
 一方、大型犬のように屋外で生活するかたちをとる子は、隣近所へ迷惑がかからぬよう注意し、散歩途中に他人や他のワンちゃんに吠えたり攻撃したりしないようしつけることが必要となってきます。
 生まれてきた仔犬の性格は、遺伝と育てられた環境に大きく左右されます。福岡県では現在動物愛護法の条例強化により、生後2ヶ月まで仔犬を母犬から引き離してはならないことになっています。母犬や兄弟犬との最も強い愛情関係が生まれるのは、生後6〜7週間目といわれています。この時期に母犬や兄弟犬から引き離されると、過敏で神経質、不安定な性格の持ち主となり、成長してから多くの問題行動を引き起こしやすくなるのです(早期母子分離)。従って、仔犬を迎え入れる場合は、人間社会に適応できるよう、しっかりとしたしつけが必要となってくるのです。
 当院では、初めてワンちゃんネコちゃんを家族に迎え入れる方々に、わかりやすく生活指導をさせていただいております。定期的に、ご飯の選び方やしつけのコツなど、院内セミナーを行わせていただいておりますので、是非お気軽に足をお運びください。また、その日時や定員数はHPや院内の掲示板に随時報告させていただきます。参加を希望される方は、お気軽に当院スタッフにお尋ねください

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予防接種について

皆さんが初めて仔犬や仔猫と生活を始めるとき、必ず行って欲しい事の一つがワクチン接種です。
 人間と同じように、ウイルスや細菌の感染を受けると、直接あるいは2次的に死に至るような恐い病気もあります。
 そのため、事前にワクチン接種を行って免疫力を高め、病気にかかりにくくする体づくりをすることが大切です。
 ワクチンを接種する時期は、お母さんから譲り受けた免疫(移行抗体)が切れる頃(生後2ヶ月くらい)と、その1ヶ月後くらい(3〜4週間後)に接種することが理想的です。ワクチン接種時期のズレから他の子より多く接種することもあります。(2〜3回接種)
 その後は1年ごとの予防接種で抗体を持続させることが理想的ですが、高齢であったり、幼い頃の予防接種が曖昧な場合は、獣医師に相談の上で行うようにしましょう。

狂犬病ワクチンについて

狂犬病は、ワンちゃんだけがかかる病気ではなく、人間はもとより、ほ乳類といわれる動物すべてに感染するウイルス病です。発症すると意識障害や中枢神経麻痺をおこし、致死率100%といわれる最も恐ろしい感染症です。
 近年日本では、犬の登録や予防接種の徹底が進み、島国であるため、海外から輸入される動物に対して厳重な検疫が行われ(輸入時の犬・猫の係留期間・検査など)、1957年以降狂犬病の発生はありません。
 しかしながら、他のアジア諸国、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパなどの地域では大陸が広く、国境を隔てて野生動物が自由に行き来するため、狂犬病の存在する国が多数あります。世界保健機構(WHO)の報告によると、全世界で毎年3万5千人から5万人が狂犬病によって死亡しています。
 現在我が国では、狂犬病予防法により、生後3ヶ月以上のワンちゃんは行政機関に登録し、毎年1回の狂犬病ワクチン接種が義務づけられています。そのため当院では、狂犬病ワクチンを必ず接種するよう飼い主様に心掛けてもらっています。

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